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ちゃぶ台はあるけれど。

秋刀魚と書いて、さんま。
太刀魚と書いて、たちうお。

秋の刀と太い刀。
皆様がお好きなお魚はどちらですか。

塩焼き対決なら接戦の末、
やっぱり秋刀魚に一票入れたいタナカでございます。

そんな秋刀魚のおいしい季節が到来しました。
今朝なんてケータイのアラームよりも、
朝の肌寒さの方がよっぽど頼れる目覚まし代わりに。

こんな季節は、日本酒と秋刀魚の塩焼きをいただきながら、
小津監督の名作「秋刀魚の味」を鑑賞したくなります。
そして映画の流れとともに、
日本酒からウイスキーにチェンジするのが理想。

その後には「お茶漬の味」か「麦秋」を観ながら、
さらさらとお茶漬けをいただくのもいいですね。

そんな具合に毎年秋になると、
何かに引き寄せられるかの如く観たくなる小津作品。
「秋日和」や「彼岸花」もいいですね。

タナカも大好きな小津作品に共通することといえば、
やっぱり「食卓」のシーンが何とも魅力的なこと。

この何とも言えない魅力は一体何なのでしょう…。
やっぱりあれですか！？
これはやっぱり、ちゃぶ台効果ですか？
教えて小津先生っっ！！

…とばかしに、
憧れの小津作品の世界観に酔いしれるあまり、
私・タナカ、最近ちゃぶ台を部屋の真ん中に配置するようになりました。

よし！これで今日からタナカも気分は紀子（原節子）！
…と自分に言い聞かせ、過ごしてみること数日間…。
…あれ？求めていたものとどうも違う…。

なぜ！？なぜなの！？
ちゃんと夜中にひとりでお茶漬けも食べたのに、どうして！？
…と不思議に思い、記憶をたどってみると
紀子がお茶漬けを食べていたのはちゃぶ台ではなく、
テーブルだったというまさかのミス。

でも、そんなことよりも、もっと根本的な違いに気が付いてしまいました。

それは小津作品のちゃぶ台には、人が集まるということ。
つまり、人が集まることにより生まれる「出来事」が魅力的なのです。
一方でタナカのちゃぶ台には、
昨日も今日も、そして明日も集まるのはタナカひとりだけ。
その上そこで生まれるのは、毎晩ビールの空き缶を覗きこみ発する
「あっ、もうないわ」との独り言だけ。

あぁ私…、なんだかとっても寂しい気分になってきました。。。

でも、ちゃぶ台の周りが無理ならば、
だったらせめて、ちゃぶ台の上だけでもにぎわせたい。

そんな切なる思いを込めて。
朝から食卓が華やぐ商品ばかりをあつめました。

特集「京の朝ごはん」はこちらから↓↓

ちゃぶ台の　配置を元に　戻そうか　増えるはビールの　空き缶たちのみ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（タナカ、侘しの短歌）

お茶漬の味。

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