京を語る

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第32号 1997.9.7発行
このページは、情報誌「京都」掲載記事からの転載です

自然との共存をつきつめて考え住みよい町づくりを。田中 良昌 双林院 山科聖天

聖天さんは密教寺院の神様なので、ここはお寺なのに、門前に鳥居があるでしょう。また、聖天さんは、十一面観音と大日如来のような方の、合体化身として出現され、私たちを親身になって助けてくださいます。両親のような方ですから無理が言えるんですわ。

聖天さんの供養は浴油と言って、お像に油を注いで供養します。浴油には費用もかかるし、手法も大変なのでなかなかできませんが、今は信者さんで浴油会という会を作って、御祈祷を行っています。11月には1年の締めくくりに、大浴油会として特別浴油をします。この時はちょうど紅葉が綺麗な時なので、結願日にはお汁粉やおでん、お酒などを振る舞って、園遊会をします。

この辺りの自然が残っている理由の一つとして、観光バスが入らないので人が余り来ないということ。だから開発されないんです。でも、今の状態がいいのかなぁと思ったりね。

京都は、イメージアップしてもっと観光客を呼ばないといけません。民間が頑張っているのに観光行政の腰が重いですねえ。他の都市に行くと、行政が作った親切な標識があるのに、京都にはあまりないでしょう?もう少し力を入れてほしいですね。「京都」というイメージにあぐらをかいていてはいけないね。もうひとつは、違法建築なんかを放っておかないで、景観を守る厳しい行政をしないとね。自然との共存についてつきつめて考えて、住みよい町づくりをしてほしいですね。

田中 良昌
田中良昌
たなかりょうしょう
昭和4年生まれ。大正大学卒業後、京都市に勤務し、福祉行政に携わる。32年に先住が他界したため、第30世住職となる。現在、腹帯地蔵善願寺の住職を兼務するほか、「通称寺の会」会長や、社会奉仕活動に尽力する。
双林院 山科聖天
双林院 山科聖天
護法山出雲寺、毘沙門堂門跡山内の一院(塔頭)で、寛文5年(1665)に現在地に建立される。本尊は、重文級の阿弥陀如来像。院内には、仏像の寄せ木でできた不動明王像や、「山科の聖天さん」の通称で親しまれる霊験あらたかな秘仏・大聖歓喜天尊がある。
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京都市山科区安朱稲荷山町18-1
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